目次
眼科専門医かどうか見分ける
医師免許があればどんな診療科でも開業可能
日本では医師免許があれば、内科・外科・皮膚科など、どんな診療科目でも開業することが可能です。眼疾患全般に関する知識が不足していたり、眼科手術の経験がほとんどなかったりする場合でも、眼科クリニックを開業することが可能です。
かつて銀座眼科が通常では考えられないレーシック集団感染事件を引き起こしましたが、銀座眼科を開業した医師は眼科専門医ではありませんでした。さらに開業するまではレーシックの執刀経験もありませんでした。事件について詳しくはレーシックの失敗・失明・リスクについてをご覧ください。
したがって第一に「眼科専門医であること」がポイントになります。
眼科専門医とは
眼科専門医制度とは、質の高い眼科医育成を目指して日本眼科学会が設けたものです。
眼科専門医を取得するためには以下のような条件があります。
- 眼科医として5年以上の臨床研修
- 眼科に関する論文1篇以上
- 学会報告2報以上
- 研修完了後の専門医認定試験(筆記試験・口頭試問)
眼科専門医だからといって、必ずしも優れた眼科臨床医であるかどうかは分かりません。しかし、消費者・患者の立場からすると、目に関する医療を受けるならば眼科専門医に診てもらうことは最低条件と言えるでしょう。
眼科学会に所属していても眼科専門医とは限らない
学会はオープンな場であるため、医師免許があれば誰でも入会する資格があります。(※学会評議員又は眼科教授の推薦は必要)
したがってプロフィールに「日本眼科学会所属」と書いてあるからといって眼科専門医とは限りません。
眼科専門医の検索方法
眼科専門医かどうかは、日本眼科学会のホームページから検索できます。
上記ホームページから医師の名前で検索して見つかるかどうか確認することをおすすめします。
オフサルモロジストとオプトメトリスト
眼科専門医にも様々なタイプがあります。
アメリカの眼科医はオフサルモロジストとオプトメトリストの2種類に分けられています。オフサルモロジストは医学部出身で主に眼科外科を行う医師ドクターのことです。オプトメトリストは専門学校出身で主にメガネやコンタクトレンズを処方する眼鏡士ドクターです。
例えばメガネやコンタクトレンズの処方を中心とした眼科クリニックが街中にあるのを見かけますよね。そういったクリニックで働く医師はオフサルモロジストというよりはオプトメトリスト寄りだと言えます。(※あくまで消費者・患者の立場からの意見です)
レーシック手術はオフサルモロジストとしての意識が高い方に執刀してもらいたい、と思うのが普通ですよね。
レーシック執刀適正を見分ける
眼科専門医かどうかを見分けたら、次はレーシックの執刀に適正な医師かどうかを見分けます。
眼科専門の臨床医としてのキャリア
クリニックのプロフィールなどに医師のキャリアが掲載されています。眼科専門の臨床医として、どのようなキャリアを歩んできたのかチェックすることができます。
特に以下のような点をチェックしてください。
- 過去に勤務していたクリニックが問題を起こしていないか
- 眼科専門医になりたてかどうか
眼科専門医になりたての医師よりは、眼科専門医になってからキャリアを積んでいる方の方が信頼できますよね。
レーシックや角膜、水晶体に関する執刀経験値
眼科医にも様々なタイプがあります。
- 1.目に関するあらゆる外科手術をやる医師
- 2.角膜・水晶体に関する外科手術(白内障など)を中心にやる医師
- 3.網膜や視覚神経に関する外科手術を中心にやる医師
- 4.レーシックなど屈折矯正手術を中心にやる医師
- 5.ドライアイの診療を中心にやる医師
- 6.眼鏡やコンタクトレンズの処方が中心の医師
- 7.緑内障の手術を中心にやる医師
目は複雑な器官です。したがって特定の部位や特定の疾患に特化したスキルが磨かれていく可能性があります。歯医者でも、小児歯科、矯正歯科、など、細かい分野に特化した医師がいますよね。
レーシックは角膜を削る手術ですので、角膜に関する執刀経験値は必須と言えます。ICLなどの屈折矯正手術は水晶体に関する執刀経験値が必要となるでしょう。したがって、レーシックのような屈折矯正手術に関して言えば角膜・水晶体に関する執刀経験値は重要です。
眼科専門医として臨床のキャリアが長かったとしても、角膜・水晶体に関する執刀経験値が少ない場合は、レーシックを受ける患者の立場としては不安でしょう。
日常的に執刀している臨床医を選ぶ
どんな業界でもそうですがキャリアを積み重ねて権威を得る(出世する)過程で、現場で自分の腕をふるう機会が減ってスキルが落ちていく可能性があります。管理職のジレンマですね。
「眼科専門医としてのキャリアが十分にある、臨床実績・レーシック執刀数も十分にある。しかし現在では日常的に執刀していない」というパターンには要注意です。
日常的に執刀しているかどうかを知るために、クリニックのパンフレットやブログ、SNSなどで発信されている最新情報のチェックを推奨します。