網膜剥離とは、神経網膜が剥がれることで視機能に障害が起こる病気です。
網膜剥離の主な2つの原因には外傷によるものと、老化によるものがあります。外傷による網膜剥離はスポーツに取り組む10代や20代に多く、老化による網膜剥離は50代以上に多くなります。
光が角膜や水晶体を通り、網膜に光の像が映し出されることによって視神経を通じて脳に映像が送られます。したがって網膜が剥がれると脳に映像を伝えることができなくなります。
かつて日本ボクシングコミッション(プロテストなど日本のプロボクシングを統括している団体)は網膜剥離になった場合は引退勧告の対象としていました。なぜなら当時の網膜剥離はバックリング法という手術方法が採用されることが多かったのですが、完治はせずに再発するケースが多かったからです。
現在では網膜剥離の原因である硝子体繊維を切除することによって網膜剥離を完治できるようになり、網膜剥離を治療して世界チャンピオンになったボクサーも存在します。
2013年4月1日付で日本ボクシングコミッションは「当団体の指定する専門医が完治診断した場合は現役続行を認める」という通達を出しました。現在は網膜剥離を発症したボクサーは現役を続行できる可能性を持てるようになりました。